2分 48 秒の思い出
一丁ヤッタロー(岩国市 81 歳)
岩国城ロープウエイが開業して間もないころ、わずかな期間ではあったが岩国市の臨時職員、いわゆるアルバイトのご縁を頂いて、混雑する山麓駅山頂駅の乗客整理係を担当した経験がある。
当時のロープウエイは昇降客を乗せたゴンドラにはガイド嬢が添乗し、岩国の歴史や名所を肉声で観光案内していた。
仕事柄、山麓駅と山頂駅を1日に何度も往復するうちに、片道2分48秒の観光案内の文言を完全にマスターした。
たとえわずかな期間でも、錦帯橋を中心とした岩国市観光事業の現場に居合わせたことは、その後の長い人生の色んな場面で、岩国市民としての誇りを自覚し、岩国の歴史や観光名所を2分48秒の名調子に乗せて宣伝することになる。
改めて市内の大手企業に入社して数年を経たころ、日本全国に点在する工場や営業所の担当者が岩国工場に集結して全社大会が開かれた。行事の進行とともにお酒も入り他工場の参加者がお国自慢を繰り広げた。